背景がボケた写真の撮り方

背景にこだわろう!

背景がボケた写真を撮ろう・楽しもう!!

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ここでは背景が『ボケ』た写真撮影について話を進めていきます。
レンズキット付属の高倍率ズームレンズなどを活用して、背景がボケた写真を撮って楽しみましょう(*^_^*)

デジタル一眼カメラの購入をご検討中または購入された方には、「ボケ味が良い」「背景がボケた」「背景にこだわった」写真を撮りたい方もいらっしゃると思います。

この機会に!!ボケ味を生かした撮り方にチャレンジして「ボケ味が良い」写真を撮ってみて下さいね(^u^)
初心者の方でも、ある程度のコツをつかめば、そんなに難しい事はないと思います。


「ボケ」とは・・・

デジタル一眼カメラでは、レンズなの活用で、画像全体にある程度ピントが合った写真と、被写体にピントを合わせ、背景などが「ボケ」た写真を撮影する事が出来ます。

カメラ本体で意図的に最小(開放)よりに調節し、被写体にはピントが合った状態でシャッタを押せばボケた写真が出来ます。

一眼カメラに使われているレンズにより異なりますが、絞り値を小さく(絞りを開く)する程、被写体の前後ピントの合って見える範囲は狭くなり、ボケた写真になります。

ピントが合い、背景がボケたり、くっきり見えたりする範囲が被写界深度と呼ばれています。
絞り値を小さくして被写界深度が浅くなれば、ボケ味を出す事ができます。
逆に絞り値を大きくして被写界深度が深くなればクッキリ写す事ができます。

一部のコンパクトカメラにも背景ぼかしモード搭載があるようですが、一眼レフやミラーレスとは撮影方法や仕様が異なるそうです。
その事について、ここでは触れませんのでご了承願います。


クローズアップ風でボケ味を出してみましょう

キットレンズなどに付属の高倍率ズームレンズ(55-250mmなど)では普段は遠い被写体を撮られてると思います。
ここでは望遠側で近い被写体の撮り方を覚え、クローズアップ風のボケ撮影に活用をしてみましょう。
※高倍率のズームレンズに限らず、18–55mmや単焦点のレンズなどでも、同じ様な、要領で撮影が出来るようになれば、おもしろいと思います。(*^_^*)

このページに掲載した写真の撮影にはCanon製APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラとレンズの EF-S 18-200mm F3.5-5.5 IS フィルター径72mmを使っております。
撮影にあたり特殊なフィルター等は使用しておりません。

このレンズは35mm判換算で29〜320mm相当の広角域から望遠域をカバーする約11倍の高倍率ズームレンズでコンパクトサイズで普段使いには十分なレンズです。
またレンズ単体でも販売されております。

Canon 望遠ズームレンズ EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS のチェックはこちら


カメラテクニック・マニュアル・ガイド本はこちら



ボケを楽しむためのコツや設定方法

ボケを楽しむためにはカメラと被写体と背景とそれぞれの距離で、かなり出来が違ってきますので、遠近を考えながら構図を決めて下さい。

撮影する被写体で変わりますが、常に絞り値を小さく設定をした場合、ボケの範囲が広がりますので、その都度、被写体に合わせた絞り調整をして下さい。

下の比較写真2枚はボケの違いを分かりやすくするために、絞り値の調節範囲を最小と最大にしております。カメラレンズ先端からミカンまでの距離が約60cmで、カメラレンズ先端からバナナまでの距離が約73cmです。部屋の照明のみの撮影でフラッシュは利用しておりません。

下の写真を撮るために、私が用意したものカメラ、三脚、ミカンとバナナ、奥行き1m位のテーブル、それとテーブルクロスです。
後は適当な間隔で被写体と背景になるものをテーブルに置きます。
ここでは被写体(ミカン)や背景側(バナナ)で進めます。

比較写真A:絞り値が小さい、ボケの範囲が広い写真
絞り値:小さい
シャッター速度:1/60
ISO:400
焦点距離:200mm
デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識 ボケた写真を撮ろう、楽しもう!!比較写真A:絞り値が小さいボケの範囲が広い写真、絞り値:f5.6、シャッター速度:1/60、ISO:400、焦点距離:200mm

比較写真B:絞り値が大きい、ボケの範囲が狭い写真
絞り値:大
シャッター速度:0.6秒
ISO:400
焦点距離:200mm
デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識 ボケた写真を撮ろう、楽しもう!!比較写真B:絞り値が大きいボケの範囲が狭い写真、絞り値:f36、シャッター速度:0.6秒、ISO:400、焦点距離:200mm




絞り値を理解する


ボケ撮影のためのカメラの設定とその他

では早速カメラの設定に入ります。

1.まずはカメラの電源は入れずに、三脚をお持ちの方はカメラとテーブル上の被写体がほぼ水平になる位にセットします。
※セットが終わってから電源を入れて下さい
※背景が『ボケ』た写真を楽しむ際には、三脚などにカメラを固定する事が、撮影の基本だとお考えください。

2.ズームレンズを使われる場合は、おもいっきり望遠側にします。
望遠側にした場合、ワイド側より絞り値が大きくなり、シャッタースピードは遅くなり、手ぶれの原因にますので、カメラは必ず三脚などに固定して下さい。

3.被写体(ミカン)や背景側(バナナ)がバランス良くカメラに収まるように、カメラまたは被写体や背景を動かします。
被写体と背景に対してカメラは水平~少し傾ける位で、方向的にはやや右斜めや左斜めから撮影した方が、分かりやすいと思います。慣れてくれば、様々な角度から試し撮りをして下さい。三脚に固定したカメラを移動する場合には、カメラに衝撃がないよう注意して下さい。
うまく収まればそのままの位置でカメラ本体と被写体や背景を動かないようにして下さい。
※なぜ背景までセットする必要があるのだろうかと?疑問を持たれる方もいらっしゃるはずですが、背景は写真撮影では非常に大切で、このように背景まで触って、初めて大切な事がお分かり頂けると思います。

4.カメラのモードダイヤルを絞り優先(AV)に合わせます。
実際に写真を撮る際には動かない被写体ばかりではありません。
動きのある被写体撮影にはシャッタースピード優先(Tv)モードで撮影して下さい。
しかし、動きのある被写体で背景ボケは、難しくなります。でも是非挑戦してみて下さい。
また曇りや、日陰など暗い場所ではそれ以上に撮影が困難になります。

画像の説明



カメラ任せでの撮影方法はこちらへ

5.ISO感度やホワイトバランスもAUTOでOKです。

6.絞り調節つまみを動かしてF値を最小側にセットします。

7.ピントを合わせてシャッターボタンを押す。
極端に被写体に近づきすぎた場合、ピントが合わなくなります。
レンズにはそれぞれに最短撮影距離が設けられています。
※最短撮影距離についての詳細はお持ちのカメラ付属の取扱説明書やマニュアル本などでご確認ください。

カメラテクニック・マニュアル・ガイド本はこちら



被写体(ミカン)を中心にカメラや背景側(バナナ)それぞれの距離を離したり近づけたりして撮影をされれば、もうお分かり頂けたと思います。

F値は出来るだけ最小側で、カメラが被写体(ミカン)に出来る限り近づき、被写体(ミカン)と背景側(バナナ)との距離がある程度長いほうがボケの範囲が広くなります。

後は絞り値を小さくしたり、大きくしたり、色々と工夫しながら、コツをつかむ為の撮影練習をして下さい。上の比較写真よりも背景をボカしたい場合は、それぞれの距離やカメラとレンズの構成などで大きく変化します。

また、ボケの範囲なども、撮影する方の好みで変わりますので、数多く撮影してみて下さい。
「ボケ」をマスター出来れば、深い味わいの写真が撮れると思います。


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屋外での撮影例

天気が良い日、太陽光の下で撮影したボケの範囲が広い(絞り値が小さい)写真と範囲が狭い(絞り値が大きい)写真を下記に掲載しております。参考にして下さい。
写真Aも写真Bも写真の右側の木にピントを合わせております。
写真A:左側が絞り値が小さい、ボケの範囲(被写体の前後)が広い写真
写真B:右側が絞り値が大きい、ボケの範囲(被写体の前後)が狭い写真
※下記の写真は分かりやすいように最小絞りと最大絞りで撮影をしておりますが、最大絞り値に関しては、普段からサンプル写真Bのような、大きい絞り値で、撮影は行わないで下さい。
※絞り値の調整範囲は、装着レンズの最小絞り値から最大2段~3段位までの範囲が理想のようです。

理想的な絞り値

写真A:絞り値が小さいボケの範囲が広い写真
デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識 ボケた写真を撮ろう、楽しもう!!
モードダイヤル:AV(絞り優先)
感度:ISO100
焦点距離:200mm
絞り値:f5.6
シャッター速度:
1/640
露出補正:
-0.3(-1/3段)EV
太陽光
三脚無し
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写真B:絞り値が大きいボケの範囲が狭い写真
デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識 ボケた写真を撮ろう、楽しもう!!
モードダイヤル:AV(絞り優先)
感度:ISO1600
焦点距離:200mm
絞り値:f36
シャッター速度:
1/250
露出補正:
-0.3(-1/3段)EV
太陽光
三脚無し


写真C:ボケ味を強調した写真
サンプル写真、上の写真はボケ味を強調した写真とやや強調した写真例です。天気が良い日に屋外での撮影で単焦点レンズで撮影しております。

写真D:ボケ味をやや強調した写真
サンプル写真、上の写真はボケ味を強調した写真とやや強調した写真例です。天気が良い日に屋外での撮影で単焦点レンズで撮影しております。

サンプル写真
上の写真はボケ味を強調した写真C(左)とやや強調した写真D(右)で撮影例になります。
ヒント:
写真D(右)のボケは写真C(左)程強くありません。
天気が良い日に屋外での撮影です。
単焦点レンズで撮影しております。

背景がボケた写真(玉ボケ)の撮り方へ続く

デジタル一眼レフ特集 - 撮影シーズン到来、美しい季節は高精細で残そう