絞り・絞り値を理解する

お使いのカメラの絞りをマスターしよう

一眼レフカメラの絞りとは?

デジタル一眼レフカメラを使い始めたなら、必ずマスターしたい操作に、『シャッタースピード』『絞り』の設定があります。

デジタル一眼レフカメラの操作としては、基本になりますので、大げさな言い方ですが、避けて通れないと言っても過言ではありません。
このページでは『絞り』『絞り値(F値)』 について記述して行きたいと思います。

デジタル一眼レフやミラーレスなどのレンズ交換式のカメラにはシャッタースピード優先AEモードや絞り優先AEモードなどがあり、シャッター速度設定や絞り数値設定を行うだけで、自動的に露出調整が行われカメラ任せで撮影ができます。

※AEはAuto Exposureの略で自動露出のことで、写真の明るさが適正になるようにほとんどのデジタルカメラにはこの機能が搭載されています。
しかし被写体によっては明るかったり、暗かったりする場合もありますので、大切であれば納得できるまでお撮りください。

優先AEモードの呼名設定内容
プログラムAE被写体の明るさに応じて、シャッター速度と絞り数値を自動的に設定します。
シャッタースピード優先AE被写体の明るさに応じて、カメラが適正露出に必要な絞り数値を自動的に設定します。
絞り優先AE被写体の明るさに応じて、カメラが適正露出に必要なシャッター速度を自動的に設定します。

※お使いのカメラの取扱説明書をご参考に設定を行って下さい。

絞りとは、レンズを通過する光の量を調節するものです。
簡単に云えば、カメラのレンズを通った光(被写体)がレンズを通る時に、予めカメラ本体で指示した絞り数値により、レンズに組み込まれた絞り羽根が、光(像)の入り具合を調節してイメージセンサーへ当てます。
シャッターボタンを押せばカメラ内部の仕組みにより画像が作成され、写真データとして記録可能な、SDカードやCFカードなどに保存されます。
デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識、絞り調整
※デジタル一眼レフカメラの内部イメージ


エントリーモデルからフルサイズまでラインナップ。


絞り羽根と調整範囲

絞り羽根とは

絞り羽根とは、絞りを構成するパーツのことで、絞り羽根が動くことで、絞りを開いたり、絞ったりします。
それぞれのレンズにおいて絞り羽根が最高に開いた状態が開放値になり、沢山の光を取り込むことができます。
その逆、絞り羽根を動かし、穴を小さくしていくことを絞り込むと言います。
絞り込んで行くと同時に、取り込む光の量が減り暗い傾向の写真になります。

レンズによりF値(F+数値)は異なり、その数値(開放値)が小さい程、光を取り込む量が増え明るいレンズになります。
同じ焦点距離のレンズでも開放値が小さい程、高価なレンズになります。

デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識、絞り羽根

レンズ内部 絞り羽根の写真
レンズ内部 絞り羽根の写真

絞り値(F値)

F値とは絞りの目安で、レンズを通って撮像素子上に写る像の明るさを表す値のことで、光の通り道の大きさを数値化したものです。

別の呼び方を絞り値とも云います。F値(絞り値)はF1.4、F2、F3.5、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22、F32のように表され、絞り値の状態はカメラの液晶モニターやファインダーでF値を確認できます。

また開放値(F値)がレンズの呼名に記載されています。
下記はcanoとNikonのズームレンズキットに付属する標準ズームと望遠ズームです。
下記のズームレンズには広角側と望遠側の開放F値が記載されています。
canon EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM
canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
Nikon AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6 G ED VR
Nikon AF-P DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3 G ED VR
※絞り数値の確認方法はお持ちのカメラの取扱説明書などをご覧ください。

デジタル一眼レフカメラ入門と選び方・使い方!!基礎知識、絞り調整 絞りを理解する/絞り値(F値)


絞りとシャッタースピードの組み合わせ

絞りとシャッタースピードの組み合わせを下記の表に記述しております。
露出を決めるのにISO感度は大きく作用しますので、ISO感度を固定した上での数値になります。

たとえば・・・
絞り値をF5.6からF8.0に絞り込みした場合、絞りを1段絞るとい言います。
逆にF5.6からF4.0へ絞り値を小さく(開放)した場合、絞りを1段開くと言います。
同時に取り込まれる光量も1段絞れば1/2、1段開放すれば2倍になります。

仮にF4でシャッタースピードが1/250秒であればF5.6の場合1/2の1/125秒になります。
F5.6からもう1段絞ってF8の場合には1/60秒になります。
このようにAEの機能により何十通り組み合わせと適正露出を得ることができます。

絞り値とシャッタースピード


またデジタルタル一眼レフカメラは、純正レンズを装着をする事によりレンズ情報を取得します。
絞り値F5.6~F8.0であればその1段分をさらに1/3段(F5.6、F6.3、F7.1、F8.0、)に分けて表示されるようになっております。
※レンズ情報に関しては、それぞれのメーカーで異なりますので、購入やお使いの際にはご確認下さい。

理想的な絞り調整範囲

絞り値の設定時にはカメラとレンズ、被写体で異なりますますので決まった基準はありません。
極端ですが、使用レンズの開放絞り(レンズに最も光が入る状態)や最小絞り(絞り値をいちばん絞った状態)で撮る事も自由に設定できます。

デジタル一眼レフにおいて理想的な絞り値の明るいレンズでしたら開放値~F16位までの範囲で調節した方が良いといわれておりますが、最終的には撮影者の好みで決断してください。

人物・風景・花・鳥・夕景・夜景・花火・水の流れ・接写とたくさんの被写体がありますのでご自身で色々と試した上で理想の絞り値を発見してください。
絞り調整で大切なことは、絞りに合わせて被写体を撮る事ではなく、被写体をどう撮るかに合わせて絞り調整をすることだと思います。

絞り込む事に比例して被写界深度が増し、くっきりした解像度になると思いがちですが、どんどん絞り込んで行った場合、回析現象(小絞りぼけ)が起こり、画質の悪い写真になる場合がありますのでご注意ください。

大事な写真であれば常にモニターで確認して、各絞り値の写真を数枚ずつ撮影して下さい。

1/3段に細かく分けた絞り値(F値)

F値(開放値)が2.8、3.5、5.6レンズの1/3段/毎の絞り値を表にしておりますので、参考にして下さい。
※下記の表の数値はカメラとレンズの組み合わせにより異なりますので、お使いのカメラやレンズの正確な数値はご自身でお確かめ下さい。

1/3段に細かく分けた絞り値(F値)



絞り値を大きくすると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、絞り値を小さくすると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなります。

たとえば、絞り値をF4からF5.6に変えると、レンズを通る光の量は半分に減り、撮像素子上に写る像も半分の明るさになります。

同時に絞り値を変えると、ピントが合って見える範囲も変わります。
ピントを合わせた位置に対して、その前後のピントが合っているように見える範囲を「被写界深度」といいます。

絞りの操作をマスターすることで、こだわった写真を撮影することも可能となります。何度も言いますが、慣れないうちはあまり深く考えないで出来ることから楽しみましょう。

絞り値は写真の出来に大きく反映しますのでレンズの開放絞り値から大きい数値へ調節(最大2段~4段位までの範囲で)行い、各段の写真をモニターで確認しながら撮影して下さい。

カメラの操作や写真の撮り方 マニュアルガイド


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