被写界深度をマスターしよう
被写界深度とは?
絞り値を意図的に調節してみる
お使いのカメラにレンズ装着して、カメラ本体のモードダイヤルでAvモード(絞り優先)にします。
※絞り調節方法はお使いのカメラの取扱説明書でご確認下さい。
絞り値を小さく「絞りを開く」したり大きく「絞り込む」したりと設定を変えると、ピントが合って写る範囲も徐々に変わります。
一眼レフカメラでは絞り値を小さく「絞りを開く」する程、ピントの合って見える範囲は狭くなり、被写体の前後がボケて写ります。被写体の背景などのボケ味がある写真は、意図的に絞り値が小さい傾向で撮影が行われたとお考えください。
逆に、絞り値を大きく「絞り込む」する程、ピントが合って見える範囲が広くなり、被写体の前後がクッキリと写る傾向にあるとお考えください。前後に並んだような被写体を出来るだけクッキリ写したい時に、そのよう設定を行えば便利です。
絞り値を解放しても、絞り込んでも、装着されたレンズにより異なり、写りの良し悪しや変化の度合いも違ってきます。
例えば下の表のように最小値(開放)F5.6をF8.0まで絞れば1段絞り込んだ事になり、光を取り込む量は1/2になります。また同時にシャッター速度も遅くなり、手ぶれも起きやすくなります。
デジタルタル一眼カメラのレンズでは絞り値F5.6~F8.0の1段をさらに1/3段(F5.6、F6.3、F7.1、F8.0、)に分けて表示されるようになっておりますが、メーカー各社で異なる場合もありますので、お使いの際にはご確認下さい。
※お使いのレンズの開放絞り値(開放値)がF3.5の場合には、どんなに絞ってもF16位までとお考えください。それ以上絞った場合、悪い画質になる可能性があります。
絞り値はF1.4、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0、F11、F16、F22、F32などのように表されます。
※絞り値はカメラ本体に装着するレンズにより異なります。お使いのカメラとレンズでお調べください。
1/3段に細かく分けた絞り値(F値)
それぞれのF値(開放値)が2.8、3.5、5.6レンズの1/3段/毎の絞り値を表にしておりますので、ご参考にして下さい。
※下記の数値はカメラとレンズの組み合わせにより異なりますので、お使いのカメラやレンズの正確な数値はご自身でお確かめ下さい。
※絞り値は写真の出来に大きく反映しますので、同じ被写体でも失敗が無いように、レンズの開放値から3~4段位までの範囲で絞り、各段の写真を数枚ずつ撮影して下さい。
被写界深度が浅い・深い!?
写真の被写体前後のピントが合っているように見える範囲を「被写界深度」と云います。
デジタル一眼レフカメラ特有の「ボケ」の強い写真に仕上げるにはできるだけ開放値寄りで撮影したほうが良いと思います。
絞り値を小さくしてボケ味を出すことを被写界深度が浅いと言います。
※開放値寄り(絞りを開く)した場合には、人物(少人数)、花、小物などの撮影に適してます。
景色など全体的にピントが合ったクッキリした写真に仕上げたい時は絞り込ん(絞り値を大きく)で撮影するのも楽しみの一つですよ。
絞り値を大きくしてクッキリ写す事を被写界深度が深いと言います。
※景色や人物(大人数)、建物、大きい被写体などの撮影には絞りをやや絞り込んだ状態の方が適してます。
ドンドン絞り込んで行けば、回析現象(小絞りぼけ)が起こり、画質の悪い写真になる場合がありますのでご注意ください。
被写界深度サンプル写真
下の図はカップを、ほぼ同間隔に6個並べて平面的に見た図です。 |
写真Ⅱ F値 10 一番手前No.6と奥のNo.1~No4までがボケていますが、写真Ⅰの写真よりひボケの範囲が狭くなっています。 絞り値:f/10 シャッター速度:1/3 感度:ISO-400 露出補正:無し 焦点距離:80mm |
写真Ⅲ F値 29 写真Ⅰと写真Ⅱに比べ、全体的にボケの範囲が、もっと狭くなり、手前の方はくっきり写っている傾向にあります しかし色的には上の二枚に比べあせたような写りになっています。 このような絞り値で景色などを撮影した場合、悪質な画像になります。 絞り値:f/29 シャッター速度:2.5秒 感度:ISO-400 露出補正:無し 焦点距離:80mm |